タクロリムス卒業~着床障害による不妊症~


 
 
一度目の体外受精は結果がでず、育卵鍼灸・着床鍼灸の併用をご希望されての来院。

カウンセリングの時から、「今度はなにがなんでも」とのご希望で、Th1/Th2(CD4)比率をはじめとする着床不全・不育症の検査をお勧めして、プロテインS活性・プロテインC活性・Th1/Th2(CD4)比率がみつかり、ヘパリンとタクロリムス(プログラフ)で対策をしていだき、2回目で成功し、現在7週目で胎嚢確認・心拍の確認まで確認ができています。
 

このまま順調に育つことを願っています。
 
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ために多くの卵子が採卵できるのにもかかわらず良質な卵子を採卵できない、育卵鍼灸を併用することで8子の胚盤胞を育てることができています。
また、採卵後の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防にも育卵鍼灸は有効です。

針灸房のツボ

「なぜ着床しないのか」
今回のクライアント様は、一度目の移植で結果が出なかったために、できうる検査をすべてやっていただきました。
 
また、このクライアント様は同じ施設、同じ採卵法の同一条件で、育卵鍼灸でサポートする前と後の比較をすることができます。今回の場合、明らかに採卵成績があがり良好な胚盤胞が獲得できています。
 
不育症対策をしていただき、育卵鍼灸・着床鍼灸でサポートできた症例となります。
 

着床障害による不妊症

〇●〇●様 28才 姫路市在住。
 
職業:医療系パート。
 
H30.01.12 初診
 
主訴:挙児希望。
タイミング方法、薬物療法、人工授精(AIH)(3回)、体外受精1回。
セキソビット、クロミット、レトゾール、フェマーラなどの薬剤は効果なし。
H29.9 採卵。
H29.11  体外受精 陰性。
H30.01  採卵。
H30.01  不育検査。
H30.2  Th1/Th2比率検査。
H30.3  体外受精  陽性。
 

不育検査

プロテインS活性 33%
プロテインC活性 133%
Th1/Th2(CD4)比率  12.0
 

精液検査

精子量5.2ml 総精子濃度54.0×106/ml 運動率47.2% 運動精子濃度25.5×106/ml 奇形率50% 直進率39.8%
 

育卵鍼灸前後の採卵比較

H29.9 アンタゴニスト法  採卵数4個 受精卵数2個 胚盤胞1子。
H30.1 アンタゴニスト法  採卵数15個 受精卵数13個  胚盤胞8子。
 

手術歴

H28.9 腹腔鏡下卵巣多孔術(LOD、Laparoscopic Ovarian Drilling)
通称ドリリングをおこなう。
 

効果のあった療法

育卵鍼灸 着床鍼灸と低出力レーザー(スーパーライザーH2200)の併用。
 

初回カウンセリング

女性カルテ
初潮 13~14才。
周期 不定期遅れがち。
高校生までは30日。
大学生のころは60日。
20才時にストレスがかかり5か月来なくなり、これ以降結婚するまでピルを服薬。
期間 22才まで6日間。以降は4日間。
塊  有 小豆大のレバー状がボっと1個出る。たまにドロッと大きめが出るときあり。
痛経 1~3日目
下腹がチクチクかズーンと痛い。腰痛、臀部痛。
生理前の症状 便秘。
生理前から生理中の症状  眠気、体のだるさ、疲れやすい。
生理後の症状 終わればスッキリする、体が軽くなる。
オリモノ
排卵前はサラサラで色は透明。排卵後は量が多くなる傾向。
白濁、粘り気が有り、量が多い。臭い痒み無し。

飲食 1日3回。8分目を意識している。
夜間の食事はたまにお菓子を少量。
飲み物は温飲を好む。
水分量はお茶を1リットルくらい。カフェイン類は現在中止。
二便 2~3日に1行。精神的緊張で便秘する。外では大便はできない。
1日に8回。冬場になると夜間にトイレが1回。
汗 手掌と足底にかきやすい。
20才くらいからドライアイになりやすい。
睡眠
11時~7時の8時間は寝る。15分くらい昼寝をする。
 
その他
最近髪の毛が抜ける。
白髪が増えた。
寝違いを起こしやすい。
肩がこる。
あくびが出やすい。
目が乾燥する、疲れる。
花粉症がある。
腰が痛い。
よく風邪を引く。
 

血縁の病歴

心臓疾患、糖尿病、バセドウ氏病。
 

体表の観察

気色:白青黄、腎肝脾肺。
舌:紅舌舌尖紅刺薄白胖嫩舌。
脈1息3至 滑弱枯 右尺位弱し。
経穴診:太溪、太衝、太白、衝陽、京骨、神門、合谷、太淵、脊中、接骨、懸枢、命門、肝兪、胆兪、脾兪、腎兪、気海兪、大腸兪。
腹診:天枢、左小腹、大巨、脾の募。
証:腎の気陰両虚、肝脾不和。

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