風邪をひいてしまいました。

1110麻黄湯




木曜日より土曜日にかけて、リビングでうたた寝を連続してやってしまい、日曜日で気が緩んだのもあり夜には、かなりヤバい状態になってしまいました。


症状は、悪寒、発熱、身体の節々の痛み、小便の回数の増加。便通は朝1回。


お風呂に入っても温まらず寒気がきつい。


体を冷やさないように浴室内で体を拭いて、お湯で麻黄湯を飲んで床に入る。


床では熱いくらいだが我慢をして眠るが汗をかくことなく、朝を迎える。


脈1息5至で浮緊。舌診変わらず。


症状は、発熱なし、小便の回数は元に戻る。


悪風あり、頭項のこわばりあり、頭痛少し、鼻水、咳。


脈1息4至浮緩。


麻黄湯から桂枝湯に変更。飲んだら体は温まるが…。


経過
2服目服薬後、保温をして睡眠をとる。


仕事をしながら服薬するのと、服薬して静養がするのでは、大きな違いがある。


やはり体を休めて、保温ができると、症状の回復は早い。

下手な治療よりも、静養と保温が大切である。


翌日
症状は悪風の、頭項のこわばり、頭痛の消失。


動くと体が温まり汗が少し出るが体はかなり楽になっている。


鼻水、咽がイガイガして痰の絡む咳が残る。


ここで、服薬は一時中止をする。


数日後、咳と鼻水に苦しむが放置プレイ。


咳を改善したく、麦門冬湯、半夏厚朴湯などを考えるが、小青龍湯エキスにて完治となりました。


以上経過は、こんな感じです。

麻黄湯(まおうとう)

今回は、薬局の先生のオススメの麻黄湯を頂きました。

本剤は1日量4.50g中、下記生薬より抽出した水製乾燥エキス(麻黄湯エキス)2.25gを含有する。
マオウ   5.00g
キョウニン 5.00g
ケイヒ    4.00g
カンゾウ  1.50g


麻黄湯 麻黄3g 桂枝2g 甘草1g 杏仁3g</br ></br >



以前いただいていたものより倍量になっています。


これが効き目の違いなんでしょうね。


ほかのエキス剤でも同様のことがいえるのだが、メーカーによって量が様々である。


これから、麻黄湯は2袋を飲まなくてすみそうです。

なぜ、桂枝湯(けいしとう)の飲んだのか?

まず、緊脈から浮緩と悪寒から悪風に変わったことが決定となるが、最初から桂枝湯の範疇であったかもしれない。
『新古方薬嚢』では桂枝湯証としている。次回に検討をしてみよう。

咳と痰、鼻水は

このパターンで半夏厚朴湯(はんげこうぼうとう)のんでどうなるかやってみたかったが、あいにく紫蘇葉なく断念。
で、確実な小青龍湯(しょうせいりゅうとう)を使った次第であります。


エキス剤であっても、キッチリあえばその場で変化します。鼻水は止まり痰の絡む咳が減少し、翌日にはスッキリしていました。


以前は、私自身風邪をひくと、何も治療をしないと咳と痰、鼻水が10日位は続いてしまします。


その上、折角風邪を引いたのだから、やってみたいことは沢山あります。


「自分の身体でないと確認できませんから」


いろいろなパターンを想定して試していくので、ただでさえもとに戻るのが遅くなってしまいます。


修行時代、鍼のみで治療をやってもなかなか効果を出せない時に、師蓮風の教えで、呼吸器を整えるツボに鍼をして打鍼を併用したところ、2日程度で戻せるようになりました。やっぱりすごですね。

自ら飲む漢方薬は

漢方薬は、『傷寒論』の研究のために使っています。


クライアント様にお渡しすることはできませんので、ご理解ください。


駄文長文のお付き合いありがとうございました。

兵庫県姫路市 山下針灸房、主人山下雄司

《麻黄湯方》 麻黄3g 桂枝2g 甘草1g 杏仁3g
《桂枝湯方》 桂枝3g 芍薬3g 甘草2g 生姜3g 大棗4g
《小青龍湯方》 麻黄3g 芍薬3g 五味子3g 乾姜3g 甘草3g 桂枝3g 半夏5g 細辛3g
《半夏厚朴湯方》 半夏10g 厚朴3g 茯苓4g 生姜5g 乾蘇葉2g

 麻黄湯を用ふべき証侯
 発熱頭痛首すじ肩背中腰など痛み息早く咳出で或は鼻塞がりて通ぜず或は咽喉痛み或はぜえぜえと喘し、さむけありて汗の出でざる者、以上の証ある者にても全体に気力少く脈沈なる者には用ふべからず。熱は有る無しに拘わらず汗無きが本方の要なり。脈沈と言ふは軽く手を建ったのでは感ぜず、ぎゆつと強く押して始めてよく判る他の事なり。
 風邪其の他に本方を用ふる所甚だ多し。

桂枝湯は次の如き証喉の者に用ふべし。
発熱して汗少し出で頭痛寒気身体の痛みなどある者、鼻の詰まる者、
以上のような容態にて上げっぽき気持ちする者、風邪その他に本方を使う所多し、汗の少し出づるが目標なり。
婦人産後に風邪を引きて汗少し出で熱幾日も取れざる者あり本方に注意すべし。
しかも時に余り汗の出ぬこともあり其の場合は脈の強くないのが目標なり、
また汗多く出て本方にてかえって悪くなる者あり、此は脈に力なく細かなる者これなり。
 総別風の引き始め等にて熱高く汗なく皮膚乾きて脈に力ある者は大概麻黄湯などの之く者多し注意せらるべし。脈は病人自身に取らすもよし、又近親の人に取らせてもよし、浮いているのや沈んでいるのや早いのや強いのや弱いのの程度なれば誰がみても大概は要領をえるものなり。

 小青龍湯は次の様な証のある者に宜し。
 熱あり咳出づること劇く、咳劇き時は嘔気をさへ催し咽喉の乾かざる者、悪寒あって汗出でざる著、咳してうすき痰や唾を多く吐く者、全身に水腫あり小便少くして咳出づる者、本方は又皮常にブツプツを生じ拝みある者にも効あり。胃中に水気が在ると云ふのが本方の主眼なり。本方はまた風邪より来る小便の不利に効あり。

   小青龍湯の加減の方
 若し小青龍の病証にして小青龍湯を与へてもはっきりせずして始めから微に下利のある場合には麻黄を去って蕘花ひとつかみ(鶏卵大)の如きを加へたる方を用ひ、若し渇する者には半夏を去ってカロウ根3瓦を加へたる方を与へ、若し虚する(むせる)場合には麻黄を去って附子0.2瓦を加へたる方を使ひ、若し小便の出がわるく下腹が満つる者には麻黄を去って沃苓4瓦を加へた方を用ひ、若しぜいぜいと喘する者には小青龍湯から麻黄を去つて杏仁4瓦を加へた方を用ふ。以上は何れも先づ小青龍湯を呑ませて見てはっきりせぬ場合に限り加減を行ふものなり、微下利、渇、瞳、小便不利少腹満、喘、等の証は何れも小青龍湯を与へる前から在る証です。

 半夏厚朴湯の証
 金匱要略にては婦人の咽中炙臠を治す。咽中炙臠とはのどの中に何かあぶりたる肉の塊り様の物がつかえたるが如き感じして呑めども下らず、吐けども出でずと言ふものの事なり。斯くの如き証ある者には先づ本方を試むるの要あるなり。

『新古方薬嚢』より