鍼灸施術0014 歯痛

A氏:「先生、歯が痛いんです。」
房:「どの歯?痛みは止められますけど、虫歯ならきちっと治療をしてくださいね」
A氏:「下の奥から2番目です」
房:「これで様子を見てくださいね」

2週間後こられまして、「あれから痛みはでていません」と、
歯痛にもいろいろありますが、
歯自体に問題がなければ、肩こりが関係しているもが多いように感じますね。

また、知覚過敏や、歯槽膿漏、歯肉炎、歯周病の予防にも、針灸は効果があります。
東洋医学の考え方を説明します。
歯痛は、牙痛ともいいます。
『諸病源候論』では、牙と歯を区別して、上列を牙、下列を歯としています。
歯痛と歯茎の腫れは密接な関係があるとあります。
風熱、風寒、胃熱、虚火、気虚と虫歯(齲齒)と鑑別します。

経絡的には、
手の陽明 経脈と十五絡
足の陽明 経経脈
手の少陽 経筋
足の太陽 『霊枢』寒熱
と分けて鑑別していきます。

経絡と虚実がわかれば、施術方法は察しがつくと思います。
また、最古といわれいる経絡書『足臂陰陽十一脈灸経』には、手陽明大腸経を齒脈となっています。

古人は、歯の痛みは死に直結していくものだったのでしょう。

姫路市の鍼灸院、山下針灸房