食養
「塩分をとりすぎて、病気になりますか?」
とご質問がありまして、
知人で食養をお勉強されている方が胆のう炎にかかられたそうです。
「食養の陰陽では、塩分をとりすぎると体が陽に傾きすぎて病気になるのです」と説明を食養の先生がされたそうです。
でも、本当にそうでしょうか?
東洋医学では、五味(酸は肝、苦は心、甘は脾、辛は肺、塩は腎)という5つの味と内臓との関連性を説明しています。
適度な塩分は体を温め、腎臓の働きを助けていきます。
逆に塩分の過剰摂取・不足は腎臓に負担をかけていきます。
塩分の過剰摂取・不足は脾胃と心小腸の臓腑に悪影響を及ぼします。
そうなると、今回の塩分の取り過ぎと胆嚢炎(たんのうえん)は直接は関係ないように思います。
体が「陽に傾きすぎる」「陰に傾きすぎる」ことで病をおこします。
生体を大きく陰陽に分けてみることは非常に大切ですが、病(やまい)として症状をあらわしたからには、陰陽をもっと細かく分けていく治療していく必要があります。
これからの季節、冬は腎臓膀胱子宮生殖器の機能に影響を与えていきます。
下半身の異常、腰痛、冷え症、排尿異常、痛みの再発、などの様々な症状を引きおこします。
現代人は減塩を好みますが、特に冬場は塩分を多くとることで腎臓膀胱を適切に機能させていきましょう。
塩分を多い目に摂取されることをお勧めいたします。
塩について
塩化ナトリウム100%の塩、食卓塩のような塩はお勧めしません。
食養として使う塩は、岩塩、海水からとる塩を使いましょう。
国産の自然海水塩なら何でもよいのです。
製造にこだわり地元産の釜炊き「自凝雫塩(おのころしずくしお)」をお勧めします。
独特の甘みもありおいしいですよ。
針灸房でも扱っております、お気軽にお申し付けください。
自然塩を甘くさせるには、
自然塩のえぐみは、にがり成分が沢山のこっていると感じることが多く。
自宅でひと手間を加えることで、おいしく感じる塩に変化させることができます。
屋外で、フライパンの上で、塩を炒ってください。
15分から20分くらいすると、嫌な臭いからほのかに甘い匂いに変化していきます。
これで出来上がりです。
どうしても、室内でする場合は充分に換気をして、炒るときにフライパンを覗き込むような姿勢はやらないでください。
にがりをたくさん吸ってしまうと気分が悪くなる場合があるので十分にお気をつけてください。
兵庫県姫路市山下針灸房
代表 山下雄司
参考
*五行色体表は漢方食養研究会のものを使用させていただきました。
癌と食養 ☆★☆ 自然療法による癌治療 ~ Cancer Therapies by Naturopathyのブログより
甲田光雄 医学博士の『塩の話』【 塩は自然海水塩(海の塩)を取りましょう!】
墨歌 主宰酒井貴美子
『霊枢』五味論(63)
『霊枢』五音五味(65)
『金匱要略』臓腑經絡先後病脉証第一
『新古方薬嚢』味の説