夏バテ~鍼灸ではどうツボを使うか?



古典には

『素問』陰陽応象大論(05)に、夏の暑さと気の関係を解説しているところがあります。
 要約すると、熱すぎる暑さは気を衰えさせ、適度な暑さは気を生じさせます。
 暑さもほどほどがよいですね。
  ・熱がきつければ清熱
  ・軽いものであれば理気
  ・脾胃を中心とした補気
  ・回陽救逆

鍼灸ではどのツボを使うか?

 清熱は、手の十井穴の瀉法
 理気は、合谷・太衝など
 補気は、足三里、胃兪、脾兪など、
 回陽救逆は、中カン、関元、気海、湧泉、百会など
 反応のあるところを使ってください。


針灸房はこの季節、足三里、関元などをお灸や温灸で本当によく使います。

臨床

 軽い熱中症と夏バテ?
 18歳男性、風邪を引いた感じで、頭がフワッとする、頭痛、下痢。
 脈1息4至浮緩按じて力なし。
 【処置】手十井穴と脾兪
 【効果判定】脈1息3至緩滑となり、翌日頭痛下利消失


夏バテと、右腕痛と右肩こり
 48歳男性、2~3日前より倦怠感きつし、腕痛肩こりがそれに伴って増強。
 脈1息4至滑不足、。
 【処置】左合谷温灸
 【効果判定】脈緩滑ではとなり、倦怠感、腕痛、肩こりほぼ消失。


夏バテと足のだるさ
 40歳女性 脈1息3.5至 食思不振、倦怠感特に足のだるさ。
 【処置】足三里温灸
                   など


参考文献:現代語訳『黄帝内経素問』東洋学術出版社
壯火之氣衰.少火之氣壯.壯火食氣.氣食少火.壯火散氣.少火生氣.『素問』陰陽応象大論(05)
陽火が太過であると正気を衰えさせる。正常な陽気は正気を盛んにさせてることができる。過度に盛んな陽気は元気を損なうが、元気は逆に正常な陽気に頼っているので、過度に盛んな陽気は元気を失わせ、正常な陽気は元気を増強することができる。