男性不妊の要因と施術におけるツボについて

男性不妊の要因と施術におけるツボについて

東洋医学では、精子は血から作られるものと考えています

今回は、男性の精子について考えてみます。
東洋医学では、精子は血から作られるものと考えています。藏府では、腎を中心として、肝と心と脾が関与していきます。「腎虚」とくに「腎陽虚」が一般的の主な原因になっています。脾胃で食べたものが水穀の精微と化し、腎蔵に蓄えられている精と精微が血に変化し更に精子に変化していきます。

精液中に精子がない「無精子症」、精子が少ない「乏精子症」、動いている精子が少ない「精子無力症」、正常の精子が少ない「奇形精子症」、精液が射出されない「無精液症」など、精子の問題を病名にとらわれず、東洋医学の観点から分けてみます。

体表の観察、カウンセリングから以下のように分けることができます。

腎陽虚

症状:精子が薄く冷たい、量が少ない、精力減退など。
ツボ:関元、気海、腎兪、復留、太溪などに温補をおこなう。

腎陰虚

症状:量が少なく精子が粘り気味、性欲亢進ぎみ、勃起しやすい、時に夢精など。
ツボ:関元、気海、腎兪、太溪、照海などに滋陰をおこなう。

お血

症状:量が少なく粘っこい、あるいはごく少量など。睾丸炎の既往歴がある人も多い。
ツボ:膈兪、三陰交、合谷、など。

腎精虚

症状:陰虚・陽虚の両方の症状をともなう。
ツボ:関元、気海、腎兪、志室、京門、復留、太溪、照海、湧泉、大巨に滋陰・温補を適宜おこなう。

脾虚

症状:精子の量が少なく、胃腸症状の異常を伴うことが多い。
ツボ:太白、三里、脾兪、胃兪、中カン、下カンなどに温補をおこなう。

湿熱下注

症状:身体に余分な湿や痰、食滞がとどまり、余分な熱が生じたもの。EDを伴うこともある。
ツボ:三里、上巨虚、下巨虚、豊隆、手足十井穴に湿・熱を漏らすようにする。

肝鬱気滞

症状:精神的なストレスを中心症状を表す。
ツボ:肝兪、太衝、合谷、百会、気海をつかう。

気血両虚

症状:腎虚症状のみならず、全体に気力がない、不眠多夢などの全体症状を伴う。
ツボ:腎精虚、脾虚のツボを参考に適宜おこなう。

基本的に、腎蔵に関与しているもは、腰膝の痛みだるさなど。脾胃に関与するものは、胃腸症状の異常肝に関わるものは、ストレス、イライラ、不眠などを伴います。
さらに、冷えの症状、熱の症状を分けていくことで、細かな鑑別が可能です。