【針灸房のツボ】
14才女性の生理中に、少陽病を悪くさせてしまった症例。
当初は、気滞からのリンパの腫れと考え、もともと脾腎の弱い子なので、腎の機能を高めながら、【処置】1をおこなったが、全くの見当違いで、夕刻より【処置】2の症状を呈してくる。こうなると、少陽病が熱入血室に入ったと考えらる。
リンパの腫れは、足少陽経脈病症の馬刀えい瘤(ばとうえいりゅう)ととらえた方が、予後もスムーズであったろう。
【処置】1
生理中、左頸リンパの腫れ。
【体表観察】
脈:脈1息3.5至、滑、枯弦。
処置:右照海、左合谷、左胃兪
【効果判定】
リンパの腫れは半分くらいに落ち着く。
脈の枯弦の消失を確認し、処置を終える。
【処置】2
前夜:【処置】当日
下痢(臭:有)、足の冷え、寒気。
今朝:
寒気から悪熱に変わり発熱(38度)、
嘔吐、口苦。
【体表観察】
脈1息4~5至洪大
処置:左胆兪、右章門、右期門、左外関。
【効果判定】
胆兪を使ったことで洪大は緩む反面弦脉を帯びてくる。
期門章門で浮となり、外関にて表証の処置をする。
脈1息3.5至で浮脈はやや残るが、処置を終了し、経過観察をとする。
【その後】
7日後に来院、【処置】2の後は平熱に戻り日常の生活を過ごす。