初めての移植でも、不育検査、着床不全検査はアリですよね  Th1/Th2比率比異常


Th1/Th2の比率異常のため、タクロリムスを使用して体外受精の成功の症例を報告いたします。

2017年11月より、当院にお越しになられてから、人工授精(AIH)4回行った後に、ステップアップをされました。

早くに妊娠をご希望のお気持ちが強く、「どうしらいいですか」とご不安な様子もあるので、採卵と並行して不育症、着床不全の検査を移植の前に説明させていただきました。

幸いに不育症・着床不全の検査をやっていただける施設なので、検査を受けていただくと、なんとTh1/Th2の比率異常(13.1)と凝固XII因子活性Low、の異常がみつかり、その対策としてタクロリムスとバファリンを服用されて妊娠にいたりました。

このTh1/Th2比率比異常の方の多くは、疲れやすかったり、下痢、便秘などの胃腸症状にお悩みが多いように思います。当院のTh1/Th2比率比異常の方は7人と僅かではありますが、この辺りを改善できればTh1/Th2比率比異常を克服できると思います。
今年に通院されていたTh1/Th2比率比異常のクライアント様7名のうち、2名は通院を中止、5名は妊娠継続され出産されました。

二人目妊活

2022年に、二人目妊活のために体外受精をおこなう、お一人目と同様のスケジュールでバファリンとタクロリムスを使用、一人目は1度の体外受精の移植で妊娠出産に至っているので子宮内膜着床能(ERA:Endometrial Receptivity Analysis)検査は行わず、 スムーズに妊娠反応があらわれて、現在はマタニティ鍼灸でお体のケアをさせていただいております。

二人目不妊

最近は、お二人目の妊活でスムーズにいかないケースが多いように思われます。お子様の離乳後、生理を3周期経過してから、お子様を望んで3ヶ月過ぎて妊娠しない場合は、早急に原因を見つける必要があると感じます。

当院で、二人目妊活でお越しなれてスムーズに結果が出ない場合は、何らかの不育の原因が隠れ潜んでいるように見受けられます。

挙児希望

専業主婦 29歳 姫路市在住

初診2017年11月11日

治療開始:2017年3月より

検査:特に異常なし(データーは無)、エコー、卵管造影検査異常なし

治療歴:タイミング法、薬物療法、人工授精(AIH)1回

精液検査:2017年10月

精子量:2.8ml  運動率48%  運動精子濃度30×百万/ml SMI259

主人の精子の検査結果はばらつきある
SMI:259⇒140
運動率:90 ⇒48

2017.3 生理2日目より頭痛
2017.4 セキソビットにて頭痛(こめかみから額)、頭重
2017.5 週に1度は頭痛がおこるようになる

当院通院中に人工授精(AIH)
2017/11
2017/12
2018/01
2018/02
2018/03 ステップアップを期に転医
2018/04/13  採卵(※参照)
2018/07/14  移植
2018/08/04  陽性
以降、マタニティ期間のメインテナンスとして来院。
通院ペースは、初診より週1回ペースで継続施術中です。

不妊検査

Th1/Th2比率比異常  13.1
第XII因子凝固活性   66%
抗フォスファチジンルエタノールアミンIgM抗体
抗PE抗体 IgM キニノーゲン(+) 0.408
抗PE抗体 IgM キニノーゲン(?) 0.519

服薬

タクロリムス
バッファリン

服用サプリメント

ミトコア
ライセイジュ

その他の症状

小学のころより、肩こり、頭痛、胃痛がある。
疲れやすい。
幼少期から便通が不安定。便秘下利とバラエティーに富む。
睡眠は、熟睡できずに夢が多く、歯ぎしりがある。食後に眠気がある。
歯のくいしばり、不眠、多夢、夢の内容をカラーで覚えている時もある。

女性生理

初潮は(10才)小学4年生と早く。
塊がでると生理痛、経血量が減少する。
不妊治療の服薬により、塊の性状がかわってきた。
生理痛(頭痛、腹痛)が起こるとロキソニンを服用する。
生理中は便秘傾向から下利になる。

※卵巣刺激方法:アンタゴニスト法

受精方法:一般体外受精法+顕微授精
精子回収方法:射出
精子所見:精子濃度101.5×百万/ml 運動率63.1%
採卵数:10個
胚盤胞数:4個(顕微授精) 4BA・3CB・4CB・4CB

処置

鍼とレーザー照射

東洋医学からみると

証  お血、腎精の虚、脾の気虚

治法

脾気を調整して、腎精を高めていく。
着床かかわる環境での活血化おしていく。

病因病理

腎の生理機能の過不足から生理が通常よりも小学4年生と早く、妊孕能に問題があることは考えられる。
その上、脾胃の気虚、肝の疏泄の不足から胃腸症状、月経生理、睡眠にも様々な問題もあり、良質な育卵ができないのであろう。
また、男性の精子も安定せず、一般体外受精で育たない状態から見ても、精子の弱りは考えれる、そのために顕微授精での胚盤胞の成長となる。
また、着床不全にかかわる免疫の異常は、腎の臓の働きをいかに正常にしていくかがポイントであり、子宮環境での先天を支える脾胃の臓のサポートをはじめとして、適宜、気虚、気滞、お血を改善していくことが必要である。
マタニティ期間中は身体の変化も激しく、適宜、お体の変化に対応していくことする。

体表の観察

望診
神:栄
形:中から痩
顔面診
色:白、青、黄
臓腑:心、肝、腎。
そう理:密
光沢:有

舌診
淡白薄白舌。
舌辺に痩気味、苔やや薄し、湿潤。
舌裏:淡紅、怒張有


淡白、タテ筋あり、半月少なし。
爪が割れやすく、サカムケができやすい。

脉診
1息3至半、脉力よわし、滑弱枯。

ツボの反応
神門、太衝、太溪、合谷、太白
T4-1、T5-1、T6-1、T9-1、T10-1、心兪、肝兪、胆兪

お腹の反応
心下、天枢、大巨、鼠径部


お血、腎精の虚、脾の気虚

治法
脾気を調整して、腎精を高めていく。
妊娠にかかわる環境での活血化おしていく。
訂正加筆:2023.6

兵庫県姫路市 山下針灸房

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